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2010-04

ブログの色デザイン変更 - 2010.04.28 Wed

テンプレートの、デザインはそのままで色を変え、プロフィール画像を差し替えてみた。
家内と相談して、これまではかなり地味な色調だったのを、少し思い切って明るくしたのである。
ちなみに、新しいプロフィール画像は、カウンセリングルーム内に飾ってあるお気に入りの置物の一つ(麦)である。

単極型うつの人々とその性格のことを、できるだけ多くの人に理解してもらいたいという考えで書き綴ってきたつもりではあったのだが、私自身うつの経験者として、どうしても「まず分かってはもらえない」という気持ちがどこかにあり、自然とテンプレートのデザインも地味に、控え目になってしまっていたのである。

今回色デザインを変えたのは、「これではいかん」という気持ちが働いたこともあるが、それ以上に、ここのところうつ性格の人々にとって決して暗くない展望が、わずかながら感じられるようになってきたことが大きい。
(まだまだ、あくまでも私の頭の中でのことだが。)

具体的には、一つ前の記事で書いた気づきのあったことが、とくに大きかった。

今日うつの人々がひどく増加しているのは、年齢の高い世代と低い世代との間で、人と人の上下関係のイメージや概念が著しく異なっていることと関係している。

つまり、古い時代では、目上は何のためらいもなく目下を押さえつけ、「俺が黒だと言えば、白いものでも黒だ」と威張って当たり前だったのが、若い世代ではそうはいかなくなっている。
したがって、その中間の世代や、古いタイプの人間が目上にいる人は、どうしても板ばさみ、すなわち「押さえつけられ損」の立場に立たされている……。

こういった気づきである。


この観点からすると、うつ性格の人々は、今は少数派という立場に苦しんでいるが、近い将来、「目上が目下を、大が小を支配して当然」という考えこそが、ナンセンスとして時代から追い出されるはずだと、そう思えてくる。

でも、まだまだ踏ん張り続けなければならないことに変わりはない。
私は私にできることとして、こうした考えを、まずはうつ性格の人々自身に伝えたいと思う。



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「うつ」増加の原因 - 2010.04.19 Mon

もう半月以上前になるが、ある方とのカウンセリング中に、非常に重要と思われる気づきがあった。
というのは、
①現代社会でのうつの有病率の高さ。
②(少なくともカウンセリングに訪れる方々に限り、)そのほとんどの年齢層が、40代以下であること。
これらの社会構造的な理由についてである。

まず一言で要約するならば、それらの層は「上と下からの板ばさみ世代」だということである。
さらに、ちょっとヒントめいたことを言うと、目下を押さえつけることのできる人は、自分が目上や多数派から押さえつけられても平気だが、目下を押さえつけられない人は、うつになるしかなかった、ということである。



このブログで何度か書いたように、日本人家庭における上下関係の教育においては、「劣等感を植え付ける」という方法が根強い。
だから多くの日本人は、他人のことは褒めるのに比べて、自分自身や家族、身内や職場の部下を褒めるということがひどく苦手であり、けなしていてちょうどいいくらいに感じてしまう。

自分の妻のことを「愚妻」と呼ぶなどは、何の根拠もなく、もう妻というだけで貶(おとし)めていることの現れであるが、これは単に男尊女卑的風潮にだけ由来するものではない。
何となれば、自分自身のことすら対外的には「拙者」と呼び、贈り物をするときには「つまらない物ですが」と言って差し出すのである。

集団の上位に立つ者自身、劣等感が深いものだから、目下からナメられはしないかと絶えずピリピリしており、強迫的に目下を否定することでかろうじて優越感を得、自らの劣等感を相殺しようとする。
結果、異常なまでに権威的となるのである。

たとえば、日本の古典的な父親のイメージは、ひどく権威的・横暴であり、「白いものでもワシが黒といえば黒だ」という姿にまで押し上げられていた。
また、子どもの立場からいうと、「親孝行」というものの価値が異常なほど高く、親のどんな無茶でも受け入れる、すなわち「素直」であることが最善とされてきた。
もちろんこの構図は、敗戦以前の軍隊ばかりでなく、師弟関係や職場においても、はたまたクラブの先輩後輩関係においても、「親」を「目上」と置き換えて、ほぼそっくりなぞられてきた。

このように、異常なまでに権威的な構造が強かった歴史的背景には、日本人という民族の成り立ちが、あまりにも複雑であるという事情が潜んでいたことは、推測するに難くない。
つまり、成り立ちが複雑で、DNAのレベルから価値観の異なる集団から成る社会を安定させるためには、それだけ強い権威的姿勢と、断じて上に逆らえなくする劣等感が必要だったのだろうと考えるのである。
ましてや、言うまでもなくほとんどすべての日本人は、異なる血統の混血なので、同時に一人一人が、自らの内部にもそうした矛盾と混乱を抱えているわけである。

今日ようやく一部で薄まってきた、古典的な精神論・根性論などは、自らの内外での葛藤・不安定を力ずくで押さえ込む、最も単純な方法に他ならない。
鈍感な人間が巾をきかす風潮も、また然りである。



ところで、今日うつを訴える人々は、まず例外なく、こうした目上からの抑圧・横暴なまでの権威主義にひどく振り回されてきた経験を持っている。

ここで一つの疑問が生じる。つまり、
「では、昭和以前の日本人は、今日に比べ、なぜそれほどうつが多くなかったのか?」
という疑問である。

この疑問は、我々カウンセラーにとっては常に重要な疑問であり(あまり考えていない人も多いが)、以前私は、小さな地域社会、すなわちご近所づきあいが実質上崩壊したことで、市民それぞれが孤立化してしまったことを、ひとつの理由にあげた。
だが、これはうつにおける一つの要素、つまり不安と人間不信の増大の説明にしかなっていなかった。



昭和までの日本人もまた、今日と同じように上からの圧力が強かったにもかかわらず、うつになる人が少なかった理由……
それは、自分にもまた目下がおり、自分が上からされてきたのと同じことを、自分もまた下にやっていれば問題なかったからではないかと、私は考えている。
もちろん、それなりによい父親の場合は、横暴な代わりに、家族に関する内外の全責任を一身に引き受ける覚悟を持っていたことも確かだが。
ともあれ、目上が目下を頭から押さえ込む理不尽さは、矛盾が矛盾のまま、次世代、次世代へと連綿と伝達されてきたのである。

ところが今日、「目上」像は大きく、しかもかなりの速度で変化しつつある。
その代表例としてあげたいのは、宮崎駿監督『となりのトトロ』の父親像だ。

彼には、権威主義的なところがまったく見られず、5歳の娘の言うことにもきちんと耳を傾け、評価するべきは評価し、自らの非も認めるべきは認めるが、父親として夫として、やらなければならないことは逃げずにやりきるだけの強さを持っている。
(おそらくはさまざまな問題を乗り越え、妻の転地療養のために田舎に引っ越すなどが、その典型的な態度である。)
また、心理学的に見るならば、それができるということは、彼は権威や多数派に媚びていないはずだ。

私は、一見ひ弱な彼を見て、非常に「男性的」だと感じた。
そして、同じその視線を、古典的・横暴・暴力的な父親像に向けたとき、「男性性が欠損している」と目に映ったのである。
それはまず直観的な感覚だったが、くわしく言うと、言動に論理的正当性・整合性・一貫性があるかないか、ということになるだろう。

今日、部分的ではあるが、こうした父親像はある程度浸透してきている。
「男子厨房に入るべからず」と権威ぶっていた父親から、「子育てにも家事にも積極的な、いいお父さん」像へと変化してきたわけだ。
もちろんそうした像は、職場や学校での上下関係にも反映している。

こうした変化は、わずか30~40年、つまり1~2世代ほどの間に急速に進んでおり、現在も進行中と言っていいだろう。
また、大きな社会規模での、これほど急速かつ根本的な価値観の変化は、メディアが発達していなかった頃には、考えられもしなかったのではないか。

一方、団塊などの高年世代では、そもそも旧体質のまま日本を引っ張ってきた自負があるし、こうした価値観の変化が著しくなった頃には、すでに多くは社会的地位も安定していたから、大部分は、世の中の価値観の変化という怒涛からは、すでに埒外となっていたはずである。
だから、彼らのピント外れな発言に、40代後半の私でもゲンナリさせられることは多い。
つまり、おおむね高年世代と低年世代とでは、上下関係についての価値観に、かなり大きな開きがあるようなのである。

だとすると、問題は中年世代以下の人々である。
この世代の人々は、古い価値観のままの上の世代からは押さえつけられるが、自分はもう誰も押さえつけるわけにはいかないのだ。
妙な言い方だが、「押さえつけられ損」ということになるのである。

しかし、うつの方によく言うことなのだが、やられっぱなしはよくない
『トトロ』の五月とメイの父親が、もしも目上の横暴に対して逆らえない人であったならば、彼は間違いなくうつになっていただろう。

もちろん、河合先生が言われたような「中年期危機」という要素もあるだろう。
また、女性の30代、男性の40代、すなわちいわゆる厄年の前後は、たしかに人生の節目となりやすい。
若い間は何事も人生の下積みと思い、かなり我慢がきくものだが、その世代になると、今すでに甲斐のある人生を送れていなかったら、いいことが何もないまま老年期を迎えなければならないからである。
だが、カウンセラーの実感として、うつは確実に20代、10代にまで広がりつつある。


はじめに、半月前に気づいたと言ったが、なぜすぐに書けなかったのかというと、他のクライアントにもこの考えが当てはまるのかどうか、検証していたからである。
で、クライアントの方々に、実際にうつ発症の原因や前後の状況を確かめてみると、目下からの突き上げがあったり、権威ぶるわけにいかない状況があったり、総じて、目下をどう扱えばいいのか分からなくなっていた場合が、非常に多いのである。
もちろん、曲がったことができないうつ性格が関係している度合いが高いことは、言うまでもないが。

滅び行く者はパニックを起こし、あがく。
そして、あがいている状態にある者は、古い価値観にこれまで以上にしがみつく、つまり、古いあり方が一時的に強まるのである。
結果、板ばさみになる者としては、より強いプレッシャーを受けることになるのである。


次回に続く >


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開業から2年 今思うこと - 2010.04.19 Mon

久しぶりの更新である。

幸朋カウンセリングルームを2008年4月に大阪で開業して、早2年がたったが、やはり思い通りにやれるというのは実にいい。

私は2008年まで、大学付属の一般向けカウンセリングルームに責任者として勤めていた。
だから、やっている中身としては、表面上開業とほとんど変わらなかったわけだが、大学運営ありきという姿勢からくる縛りのほか、臨床心理士としての形骸的「常識」にも縛られねばならず、自分の目でものを見、自分の頭で考えることにどうしても制限があった。
さらには、大学院生のカウンセリング実習の施設であることが謳われていたために、病理の重い人や、差し迫った悩みの人、そして男性のクライアントが非常に少なかった。

いずれは開業するつもりだったので、もともと就職については、そのためのノウハウを身に付けるという目的意識があり、大学カウンセリングルームの立ち上げ・運営という仕事内容に飛びついて応募したのだったが、やはり実際に開業するのとはかなり違っていた。

開業カウンセリングでは、何よりもまず気づきが多い。
一つには、年齢層・職種・悩みの質など、世の人々の悩みの中身や質・分布が、そのまま来談するクライアントに反映するため、世間全体の傾向を見渡しやすいからというのが大きな理由だと思う。
また一つには、意味のない縛りから解放されることで、より中立的かつ澄んだ目でそれらのありようを観ることができるからである。
そして、とにかく一人当たりで行なうカウンセリングの数が、倍ほど違う(初めは暇で、経営自体どうなることかとヒヤヒヤしたが)。

カウンセリングの中で気づいたことは、もちろんカウンセリングにとって重要なことばかりではない。
それは同時に、社会に潜在している病理についての気づきであり、何1000年にもわたる日本人の歴史に関する気づきでもある。

その中でも最も重要なのが、「ものごとの全体を見通すことができ、争いを好まず、自分に嘘がつけず、人として真面目な性質の人々が、何ゆえ日本ではうつにならねばならないのか」という点である。

これからも、このブログではそのことを中心に書いていくつもりである。


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プロフィール

kohocounsel

Author:kohocounsel
大阪市西区にて、夫婦で幸朋カウンセリングルームを運営しております、松波幸雄と申します。

このブログでは、「うつ」と診断される方々の本質的な真っ直ぐさと、ではなぜ彼らが発症しなくてはならなかったかについて、おもに家族病理・社会病理の観点からお伝えしていきます。

なお、皆様のお考えにつきましては、できるだけ読者全員の方々とも分かち合いたいと思いますので、基本的に、コメントは公開設定にてよろしくお願いいたします。

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